今すぐあなたが買うべき『まんがタイムきらら』作品100巻、計7700円

 今年は、日本最古の週刊漫画雑誌『週刊漫画TIMES』や、多くのアニメ化作品を送り出した『まんがタイムきらら』系列誌を擁する芳文社が、創立70周年を迎えるメモリアルイヤーです。今から70年前、1950年といえば、古いお札の代名詞・聖徳太子の1000円札の発行が「開始」した年になります。私(20代です)の両親はまだ生まれておりません。いやはや、時間の重みを感じますね。昭和・平成・そして令和。激動の約3/4世紀を一つの出版社が生き残ってきたことは、盛大に寿ぐに足る偉業でしょう。

 だからといって、935円の単行本が77円になるなんて想像できますか?

Amazon.co.jp: 芳文社キャンペーン(7/16まで): Kindleストア

 現在(7/16まで)、Amazon Kindleをはじめとした各種の電子書籍サービスで、芳文社の70周年を記念したセールが開催されています。対象商品は元々の定価を無視してすべてが税抜き70円、すなわち実売価格77円と化す、古来希なるセールが。

 何もかもが77円となる時、最もお得なのは元々の定価が若干高い『まんがタイムきらら』系列誌の4コマ単行本――まんがタイムKRコミックスです。当該レーベルの定価は税抜850円、つまり税込みで935円です。これは通常のコマ割りのコミックスより高めの価格設定で、特に長期連載作品を購入するときには、心理的な障壁になることもあるかと思います。例えば、『キルミーベイベー』(11巻)を最新巻まで揃えようとすると、10000円を超えてしまいますからね。

 ですが、今なら77×11=847円で揃います。あれ、紙の新品で1巻買うより安くね? そして調子に乗ったあなたがセールの誘惑に駆られるまま、100冊のKRコミックスを買ってしまった時――その出費は、わずか7700円です。もし定価であれば93500円になることを踏まえると、差額で85800円もの利益を得ていると言っても過言ではありません。(尤も今回は非4コマで少し定価が安い『フォワードシリーズ』のタイトルも紹介するので、もう少し小さい差額になりますが)

 さて、本記事は「あまり『きらら』系列誌を読まないが安すぎて興味がある」ないしは「きららアニメは知っているけど原作やそれ以外の連載も知りたい」皆様へのオススメ作品を「100巻分」お伝えするものとなります。迅速さを重視したため、各作品ごとの推薦文や記事の構成は簡略化しています。それでも思い入れと解釈を込めましたので、作品としての価値をお届けするために僅かでもお役に立てれば幸いです。なお、タイトル見出しの先頭が「・」の作品は既刊の一部がセール対象、「☆」の作品は全巻がセール対象となっており、記事内でカウントするのはセール対象巻のみになります。また、同作者の作品の2つ目は項目を作らず、代表作の項目で軽く紹介する形を取っています。ご承知おきいただいたところで、本題に入りましょう。

【アニメ化作品編】

・『ひだまりスケッチ』1~9巻(9/100)

 『きらら』系列誌で初めてアニメ化された、記念碑的な名作です。美術科を擁するやまぶき高校と、その門前に立つ女子専用のアパート・ひだまり荘を舞台に、少女たちの一人じゃない一人暮らしが描かれます。美術知識の描写や、芸術家として生きていく難しさのリアリティで抑揚をつけつつ、気長で温かい視点から「生活」を活写する本作は、今なお『きらら』の頂点のひとつを占め、後世の作品に影響を与え続けています。今回のセールでは最新10巻のみが対象から漏れていますが、今なら全巻買っても2000円しないので、9巻まで読んで気に入ったならぜひ買ってしまいましょう。

☆『キルミーベイベー』1~11巻(20/100)

  『ひだまりスケッチ』が『きらら』の王道を定義した作品だとすれば、『キルミーベイベー』はその逆、つまり邪道とか冥府魔道を征く作品です。死亡オチや大量出血上等の破壊的な笑いを絵柄で強引に押し通し、レギュラーキャラクター2名と準レギュラー1名のみを基本線に据えたギャグ漫画としての強固な構造からは、一切の無駄が削ぎ落とされています。その有り様は一見して、パブリックイメージ的な『きらら』から大きく逸脱しているのですが、度を越して愚かで調子に乗りやすい少女・やすなと、彼女のウザ絡みを頻繁に暴力で制裁しながらも嫌いになりきれない殺し屋・ソーニャの関係性を穿って見ることもできる、見かけ以上に芳醇な作品です。

 本作にストーリー的な連続性は皆無で、「続きが気になって続刊を買ってしまう」作品と思う人はあまり居ないでしょう。だからこそ今一気に買うのがオススメ――という心理が働いたかはわかりませんが、Amazonで一番売れてる漫画らしいです。ここまで市場を制圧すると、もはや共通言語。読むっきゃない!

☆『GA 芸術科アートデザインクラス』1~7巻(27/100)

 作家さんに芸術系の専門学校・高校・美大を卒業された方が多く、また偉大な『ひだまり』の威光があるためか、『きらら』において美術・絵画ものは一つのジャンルとして成立しています。その中でも、『GA 芸術科アートデザインクラス』は、知識面のディティールの濃さや芸術家としての情熱の表現に強みを持つ、特に一本気な漫画です。

 ほぼ毎回、丁寧でわかりやすい「解説」的な描写が挿入され、各登場人物にはかなり詳細に志向する芸術性や得意・不得意分野が設定されています。加えて、メインキャラクター5人とは距離感が離れた並行グループであり、より切実な将来像や専門的な方向性を持つ「美術部」の存在が、作品世界に広い奥行きを与えているのです。静かだけど熱量が高い青春マンガ、という独特で濃厚な読書感を堪能してください。

 なお今回のセールでは、同作者の『棺担ぎのクロ』も全7巻中の1~6巻+外伝1巻が割引対象となっています。『GA』とは打って変わって、寓話じみた陰鬱かつ奇妙な世界観で謎の旅人クロの足跡を追うダークファンタジーとなっており、『きらら』の領域を大きく広げた異端の名作です。こちらもぜひお買い求めください。

☆『うらら迷路帖』1~7巻(34/100)

 昨年アニメが放送された『まちカドまぞく』(残念ながら今回のセールでは全巻対象外です。でも最高の作品なので買いましょう)でだいぶ周知されましたが、『きらら』にはファンタジー色の強い作品も少なからず存在します。賑やかさの中にほの暗さを秘めた良質な和風幻想譚として完成した『うらら迷路帖』は、それらの代表と言える一作です。

 舞台は、失せ物探しや未来の予見を生業とする女性占い師「うらら」が集住する町、迷路町。うららになってこの町のどこかにいるという母を探すため、物理的に裸一貫の野生児・千矢がやってくるところから物語が始まります。千矢は文明社会の常識や都市のしきたりと苦闘しながらも、寝食を共にする仲間たちと共に過酷な試験を乗り越え、少しずつうららの階梯を登っていく千矢たち。しかし、迷路町には解き明かしてはいけない秘密も潜んでいて――。少年漫画ライクな王道の努力と友情と勝利の物語を、きらら的なフォーマットに落とし込み、話の後半になるほど、底知れない恐れや避けられない運命との対決が作家性として染み出してくる秀作です。

 加えて、今回のセールでは同作者の前作『夜森の国のソラニ』も全巻が割引対象となっています。『うらら迷路帖』よりも剥き出しの夢幻的でさみしい世界観が押し出されており、はりかも先生の物語る息遣いをより直に感じ取ることができるはずです。

・『ステラのまほう』1~5巻(39/100)

 「部活もの」は、『きらら』作品における主要な骨組みの一つです。このような作品は、概ね取材や経験に基づく専門的な要素と、少女たちの日常生活を両輪として物語を牽引しますが――『ステラのまほう』はそのどちらにおいても、一味違うシビアでスパイシーな語り口が楽しめるものとなっています。

 本作は同人ゲームを開発する部活「SNS部」(んだ魚の目照不足ャトルラン部)の部員と、彼女たちを取り巻く人々の物語ですが、登場人物に非常に癖が強いです。書誌情報には「ちょっと癖のある部員」と書かれていますが、嘘です。そしてその多くが、「激務に駆られる片親の家庭で育った」「ちょっとイタい、中二病的な創作活動をしていた」「自己実現の創作と部活での共同作業の間に矛盾を抱える先輩」「高校時代の部活動にしか自分の居場所を見つけられず先に進めないOG」「ネグレクトを受け、ネットに承認欲求をぶつける」といった、かわいいだけで済まされない生臭い質感を持った少女たちです。そこに「商業ではなく、義務もないけれど、本気」という同人創作の独特な心境や進学校に特有の空気感が合わさり、独特の刺激的な味わいを高めています。個人的にはそれが非常に好きな一方で、人を選ぶ作品なのも間違いありません。大変都合がいいことに、今回のセールでは5巻までという絶妙な範囲が対象となっています。取り敢えず読んでみて、さらなる深淵を覗き込みたくなったあなたは腹を決めて(定価で)踏み出しましょう。

 ☆『あんハピ♪』1~10巻(49/100)

あんハピ♪ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

あんハピ♪ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

  • 作者:琴慈
  • 発売日: 2015/07/13
  • メディア: Kindle
 

  現存する『きらら』系列誌には『まんがタイムきらら』『まんがタイムきららキャラット』『まんがタイムきららMAX』の4コマ3誌に加え、非4コマ作品を掲載する『まんがタイムきららフォワード』があります。少女の生活にクローズアップし、高いキャラクターコンテンツ性を持つ『きらら』のエッセンスを保持しながら、挑戦を続ける雑誌です。『あんハピ♪』も、そんな『フォワード』から生まれた作品です。

 本作を短く説明するならば、洒落にならない不幸体質や特殊な性情を背負った少女たちの、前向きな受容と超克の物語、といったところでしょうか。なんと言っても特徴的なのは、主人公である「はなこ」こと花小泉杏の在り方です。彼女は一歩間違えれば死亡するような事故や、時間のかかる厄介なトラブルに頻繁に巻き込まれる異常不運体質者です。しかし、そんな中で無事生還したことや、遠回りの末に得た小さな報酬を指して、「私はすっごくついてるよ!」と迷いなく断言します。その呑気とも取れる態度は時に反感を買いますが、やがて絶対にブレることのない信念が、「天之御船学園幸福クラス」に集められた難儀な事情を持つ少女たちを鼓舞していきます。そして各々の事情や、特別授業として課される理不尽な課題すら、彼女たち自身の力で真正面から受け止めてコメディとして昇華するのです。最初は精緻な絵柄と裏腹に独特なノリに面食らうかもしれませんが、気がつくと応援し、向き合う自分も応援されてしまっている、はなこ自身のような作品です。ヒーローに何より心の強さを求めるあなたに。

 本作が気に入ったなら同作者の『精霊さまの難儀な日常』もオススメです。こちらは4コマ漫画で、既刊2巻中1巻がセール中になります。四大元素の精霊と人間の少女の交流を、「もし精霊の力が本当にあったら何ができるか」という思考実験的な手付きで楽しく魅せる手腕には、風格すら漂います。

 ・『ゆゆ式』1~7巻(56/100)

ゆゆ式 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

ゆゆ式 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 

 『きらら』というレーベル全体を貫く魅力の一つに、4コマ漫画のミニマルな繰り返しのテンポに乗った、少女たちの他愛もない会話劇があります。そして『ゆゆ式』こそが、女の子が会話するだけの話を極限まで研ぎ澄ました漫画です。

 「情報処理部」を主役に据えた「部活もの」――と見せかけて、『ゆゆ式』があなたにパソコンの上手な使い方を教えてくれるということはありません。描かれる活動は「放課後に部室に集まり、検索エンジンで調べた内容をホワイトボードにまとめながら駄弁る」というユルいものです。それでいて登場する知識も複雑で大それたものや体系的な学問ではなく、完全に雑学の類になります。故に、各回の「お題」を肴に喋る少女たちの、交わす言葉そのものが主題として立ち現れて来るのです。本作の特に白眉な点として、「口語で会話する」様子のシミュレーションが異常に巧みな点が挙げられます。読者にとってわかりやすいか、というメタ的な事情は無視し、舞台の上だけで完結していて全容は想像するしかない会話や、連想ゲーム同然の不親切なやり取りが平然と繰り広げられます。また時折挟まれる下世話な言動や、部外の人物を巻き込んだ各キャラ間の微妙な距離感の差も、本作に流れるリアリズムを効果的に高めています。その構造はさながら、少女の対話と関係性を観察させる行動展示。「美少女動物園」なんていう個人的には嫌いな言葉がありますが、『ゆゆ式』には、本当の意味での「動物園」じみた工夫が満ちているのです。

☆『幸腹グラフィティ』1~7巻(63/100)

 人と人の温かいつながりを描く『きらら』において、「食」にクローズアップした作品が生まれ、アニメ化されるのは必然だったのかもしれません。『幸腹グラフィティ』は、日常において互いの生活を分かち合う行為としての食に注目した、グルメ漫画……否、食事漫画です。

 本作における食事の描写は画力が高いので美味しそうですし、実際に客観的に美味しい・上等である、と判断できる料理が登場することもあります。一方で、本当に重要視されている要素は「食卓」という空間そのものです。様々な事情から親元を離れて暮らす少女たちが、広いとは言えない部屋で視線を突き合わせ、肩を寄せ合い、食事の時間を分かち合う。その温かさに癒やされていく、個々人が抱える孤独や心の傷こそが、『幸腹グラフィティ』の本領なのです。官能的でともすれば「やり過ぎ」にも見える食事のリアクション描写も、親密さや生命の場としての食事を前へと押し出していく手段の一つと捉えることができます。『きらら』だからこそ描けた、人と人の間にあるものを炙り出す「食」の物語がここにあります。

 今回のセールでは、同作者の『甘えたい日はそばにいて』全3巻も割引対象となっています。最近の『きらら』では少数派になった男女恋愛をメインにした話ですが、ヒロインは人間に恋することを禁じられたアンドロイドということもあり、ラブコメ的な雰囲気とは一線を画しています。SF的な要素の処理が若干ぶん投げ気味であることに意見が分かれるかと思いますが、心情の表現力は流石、といったところです。

・『こみっくがーるず』1~3巻(66/100)

 高校生にして少女漫画誌に連載を持った経験で知られるはんざわかおり先生が、かつての自分と同じ「高校生まんが家」たちの奮闘を描く『こみっくがーるず』は、お仕事ものと学園青春ものの良さを兼ね備えた逸品です。

 本作の主人公、かおす先生こと萌田薫子は(ここははんざわかおり先生と違うところですが)ハッキリ言ってまんが家としてやっていくにはあまりに絵が下手で、構成力にも難があります。同じ寮で暮らす少女漫画家の恋塚小夢・少年漫画家の勝木翼・TL漫画家(いわゆる僧侶枠みたいなやつです)の色川琉姫がいずれもそれぞれの連載を持って活躍している影で、かおす先生はダメ出しをされてばかりです。しかし彼女には「常にネガティブな一方で、何を言われようと根本が折れない」という唯一にして最大の才能があります。先を走る仲間たちにも可愛がられ、勇気を与えられながら、とてもゆっくりとしたペースで、しかし着実に彼女は成長していきます。その一方で、成功している他の3人にも、それぞれが真剣にまんが家であろうとするがゆえの苦悩があり、互いの絆を通じて必死に乗り越えていくのです。お仕事漫画としては過酷でハードコア、だけれど青春漫画としては繊細で優しい。その顕著なメリハリが、本作の面白さの秘訣です。

 ・『スロウスタート』1~4巻(70/100)

 『スロウスタート』は、ストーリーの経糸を非常に重視している4コマ漫画です。そういう意味では『うらら迷路帖』や『棺担ぎのクロ』に近いとも言えるのですが、これら2つと違って舞台は完全に現代の日本ですし、人の生き死にが左右されるような事件も起こりません。ただ、個人の抱え込んだ秘密や手探りのコミュニケーションを丹念に描くという一点で、本作は「物語」を成立させています。

 この春から高校生になった一之瀬花名には、クラスメイトにひた隠しにしている秘密があります。それは、おたふく風邪によって一度目の高校受験を受けられず浪人し、周りより一歳年上だということ。入学直後、社交性抜群の十倉栄依子を中心軸として、その幼馴染である寡黙なちびっこ千石冠や、オタク少女の百地たまてが花名の友人となりました。元よりそこまで社交的なタイプではない「スロウスターター」の彼女は、秘密を堅持したまま日々を過ごしていきます。ですが友達と仲が深まるほど、その心は嘘をつく罪悪感と、真実を明かし関係が壊れる可能性への恐怖で板挟みになるのです。

 本作の作風はコメディタッチで全体としては明るいのですが、花名をはじめ、多くの登場人物が「口にしない言葉」を胸に抱えて生きています。それは時に幼馴染への想いだったり、教師と生徒の危険な恋の鞘当てだったり、高校時代の友人に合わせる顔がない大学浪人の焦燥(花名を含め、本作には3人の「浪人」が登場します)であったりします。それが哀切なモノローグで語られる時、この漫画の詩情は爆発します。加えて、コマを分割可能なスクリーンや物理的に干渉できる窓枠に見立てた、アクロバティックな4コマ表現も見どころの一つです。「百合漫画」的な文法を強く意識した作品なので、普段はそちらの畑という人にもオススメといえます。

【非・アニメ化作品編】

☆『どうして私が美術科に!?』1~3巻(73/100)

 『どうして私が美術科に!?』は、物語とディティールの総合力でアニメ化タイトルにも引けを取らない美術系漫画であり、今なお非常に強い感情を持っている読者が多い名作です。その最大の魅力は、少女たちの割り切れない二面性と人生の選択というテーマを、3巻での完結ながら真摯に描き抜いている点にあります。

 「願書を間違えて美術科に入ってしまった」主人公・酒井桃音を筆頭に、本作の登場人物は、どこかしら「過ちや理想との落差でもがいている」部分を持っています。そして性格面でも、お互いを思い合う優しさはあれど、一筋縄ではいかないわだかまりを抱えているのです。一見して利己的に振る舞いながらも、実は自分を見てくれない親を喜ばせるために美術科に入った者。漫画家を志しながら、心のどこかで遠すぎる夢を見ているという自覚と諦観を持つ者。幼馴染との間に、埋まらない才能の差を感じて歯噛みする者。自由人を気取りながらも、根底に友との距離に対する不安を隠し持つ者。世界にとってはちっぽけな、けれども彼女たちによっては自分のセカイに突き刺さった楔のような息苦しさと、本作は時に過酷なほど深く向き合います。それ故に読者は、彼女たちの「人生」の実在を感じて「3巻の先」を見据え、『どうびじゅ』にいつまでも狂い続けることになるのかもしれません。

☆『がんくつ荘の不夜城さん』1~3巻(76/100)

 『こみっくがーるず』が青春の輝き弾ける光のまんが家漫画だとすれば、『がんくつ荘の不夜城さん』は日陰からのそのそと立ち上がる闇のまんが家漫画です。なにせ自身も当初連載されていた『まんがタイムきららミラク』の休刊や、作者の前作の「2巻乙」(アニメ化されないきらら作品の大半は2巻で完結する、ということを示す読者界隈のスラング)をネタにするという豪速球を投げてきます。

 自堕落でコミュ障、髪は伸び放題で服装もだらしない、前回入浴した日を覚えておらず、おまけに隣に引っ越してきたばかりの女子高生に世話される漫画家・不夜城よどみ。今は『まんがタイムきらり』なる雑誌で連載を持っていますが、客観的に見て大人気の作家というわけではありません。そのライフスタイルの描写は、作者の性癖がむわんとまろび出るコマの点在も相まって、特有な「生臭さ」とも言える質感を醸し出しています。締め切りに追われ、ギリギリで日々を生きながらも、創作者としての矜持を時折覗かせる中堅『きらり』漫画家の姿には、作者の自叙伝的な側面が含まれていることは言うまでもありません。『きらら』そのものをメタ的に観察し、巧みに物語へと仕上げた本作を読めば、初心者の方も楽しみながら雑誌読者の温度感を捉えることができるかと思います。

 なお今回のセールでは、同作者の『私がヒロインじゃない理由』および『やさしい新説死霊術』も、全巻がセール対象に含まれています。不夜城さんが以前に二作の連載を経験しているという設定は、これらの経歴を踏まえているのですね。特に『やさしい新説死霊術』は、手堅く纏まったハイファンタジー百合漫画でオススメです。

☆『はんどすたんど!』1~3巻(79/100)

 『はんどすたんど!』は、器械体操を題材にした部活もの4コマです。困難な態勢を保つ力が求められる題材だけあって(?)安定したシナリオとシュールな笑いのバランス感覚が異常に良い作品に仕上がっています。

 『きらら』の部活漫画として見た時、『はんどすたんど!』の構成やキャラクターの配置は極めて堅実です。経験者一名の状態で今までなかった体操部を立ち上げ、小さくとも着実なステップを踏んで、市民体育大会というクライマックスを迎えます。超人や天才の類は登場せず、地に足のついた共感しやすい部活ものを構築することで、読者層の大半には実体が知られていない競技を魅力的に描出しているのです。

 その一方で、『きらら』のギャグ漫画としても本作は秀でています。一巻表紙の目が据わった笑顔からほとんど表情が動かず、一昔前のコメディ洋画の吹き替えを思わせる軽妙な口調の怪人物・新城ななみを中心に、絶え間なく繰り出されるじわじわ響くオチ。「いい話」風になったかと思うと4コマ目でがっくり落とし、本当に決めの場面を除けば、笑いのテンポを殺さずノンストップで駆け抜けます。抱腹絶倒しながら読み進めていくうちに、技巧を高めていこうと切磋琢磨する真剣な横顔にも心動かされる、なんとも欲張りな漫画です。

 ☆『ビビッド・モンスターズ・クロニクル』1~4巻(83/100)

 ゲームをゲームとして楽しむ気持ちを大事にした、「やりたくなるオンラインゲーム漫画」であることが、『ビビッド・モンスターズ・クロニクルの美質です。

 本作はオンラインゲームを題材にした作品でしばしばギミックとなる、クラン間の激しい競争や、現実にまで影響を及ぼすデスゲームの要素は含まれていません。その代わりに作中作ゲームのシステム面や、多人数で協力して遊ぶ原体験的な楽しさを、『きらら』的な少女たちのゆるやかな成長物語に乗せて掘り下げています。また話のスパイスとして、「オンラインのゲーム仲間と意外と近い生活圏内にいたり、現実でも友人となったりするのに、真実を知らないまますれ違う」要素が組み入れられ、その面でもくすりと笑わせてくれる、陽性の佳作です。

 ☆『広がる地図とホウキ星』1~2巻(85/100)

 近代的、しかし現代的ではない絶妙なレトロさで構築された駅のホームに、佇む魔女姿の少女。表紙のイラスト一枚から既にワクワクを掻き立てる世界観を押し出した本作は、冒険し、未知を探る面白さを軽快に描く映像的ファンタジー4コマです。

 本作は魔法学校の生徒たちを主役に据えてはいるのですが、不思議な学校生活や勉強の風景より、むしろ実地での冒険や旅情を重視して描かれている点に独自色があります。各地の街に繰り出してその空気を肌で感じ、情報を足で稼ぐ。遺跡や奇妙な自然や魔法を使った競技に挑み、理詰めの思考と個々人の特技を生かして難題を打開する。そんな、例えるならテーブルトークRPGのシナリオをみんなで攻略するような空気感に、4コマ漫画のコマをスクリーンに見立て、「カット」の連続性や空間の広がりを強く意識した表現技法が、無類の臨場感を与えているのです。「4コマ漫画の構造は単なる制約ではなく、フォーマットの特性を活かすことで非常に動的な表現もできる」という事実を雄弁に物語る本作は、『きらら』の奥深さを知る上でぜひ読んでいただきたい作品の一つです。

 ☆『JKすぷらっしゅ!』1~2巻(87/100)

 『JKすぷらっしゅ!』の舞台は、なぜか制服として水着を着用することが義務付けられた高校です。ああ、逃げないでください。狂気的なルックスから、想定外の鋭さで「性」と「愛」に切り込む妥協なしの百合こそが、最大の武器なのですから。

 一見として出落ちとしか思えない設定が冒頭から提示される本作ですが、「ほぼ全話水着回」であることを、「身体の触れ合いを描きやすい」という点で上手に活用しています。女性キャラクター間の恋愛感情を明言するだけではなく、その中に含まれる肉体への欲求、有り体に言えば性欲を、愛情との曖昧な境界で重なり合うものとして丁寧に取り扱っているのです。「百合」を標榜する作品の中でさえしばしば透明化されうるものを、『きらら』において果敢に描き抜くための文字通り背水の決意こそが、制服を水着にするということなのです。――もちろん、多分に作者の性癖(通りのいい誤用)的な部分も含まれていて、そこもまた本作の魅力なのですが。「きららの百合って正直幻覚だよな」ぐらいのことを考えている人がもし身の回りにいたり、あなたがそうだったら、この本気と真剣に向き合わせてください。

 ☆『ミソニノミコト』1~2巻(89/100)

 『ミソニノミコト』――名前のとおり「鯖の味噌煮」を司る胡乱な架空の神性を語り部に据えた、八百万の神々の概念で遊びながら、日本人のテキトーな信心を温かく描く神道4コマです。

 多くの日本人にとって、「特に生活に根ざしているわけではないが、初詣とかには行く」「仏寺の檀家だったり一族の墓所は寺にあったりするが、それはそれとして神社もなんとなく詣でる」ぐらいの、不思議な距離感にいる神道とその神様たち。本作では「史書に名前が出てこないような泡沫神」ミソニの目線を通して、有名な神様や神棚・御朱印といった知ってるようで知らないアイテムについて解説しつつ、時に人と神が存在する時間の差を素朴な情感豊かに描きます。常に心の中にいるわけではないけれど、ハレの日や一世一代の大勝負には頼られる、目には見えないけれど、常に側にいる――そんなよくよく考えると奇妙な信仰を、この物語の神様たちは自分の存在を保つよすがとして、とても大事にしています。その日常に根ざした優しさは間違いなく『きらら』の良き土壌に咲いたものであり、心地よい読後感に浸りながら、歴史で遊ぶ伝奇的なエッセンスの味わいも感じられる素敵な一作です。

 ☆『ふおんコネクト』1~4巻(93/100)

 しばしば「背景で手抜きができる」ようなイメージを持たれていますが、実は4コマ漫画は画面内に占めるコマの面積が広く、実際は常軌を逸した量の描き込みを行うことができます。それを実現した『ふおんコネクト』の魅力はなんといっても、溢れんばかりの情報量と、生き生きと動くキャラクターの質感が乱舞するところでしょう。

 コマを埋め尽くすような描き込みと、これでもかと詰め込まれたサブカルや特撮番組のネタ(そもそも「ざら」というペンネームは『ウルトラマン』に登場するザラブ星人に由来しているそうです)。ともすれば雑然として評価に困る作品になりかねないところを、本作は登場人物の作り込まれた人間性によって一本筋を通しています。話の本筋と関係ないところでも常に誰かが動いており、そこに彼女たちの個性から導き出された明確な「意図」があるのです。また、かなり入り組んだ家庭環境の設定も、彼女たちが互いに関わり合う際の質感を噛みごたえのあるものにしています。個人的には「4コマ漫画を読むのにだいぶ慣れてきた」というタイミングで、高難易度クエストを腰を据えて攻略するような感覚で読んで欲しい異形の名作です。

 また同作者の『しかくいシカク』と『ふたりでひとりぐらし、』も、全巻が今回のセールで対象に含まれています。過激なまでの情報量でぶん殴る作風は一貫していますが、『ふたりでひとりぐらし、』は最も最近の作品で、比較的マイルドな食味なのでざら先生入門にオススメです。

 ☆『ふじょ子とユリ子』1~2巻(95/100)

 私はこの作品の1巻と2巻の表紙が映し出す対比があまりに好きで、敢えてここだけ両方の販売ページへのリンクを載せました。読んでいただければ、私の想いもご理解いただけるものと信じております。

 これは私のカップリングにおける持論なのですが、幼馴染同士のカプほど、恋人同士としてくっつくまでの過程が難しいんですよね。彼女たちはなまじ小さな頃から共有してきた時間が長く、関係が強固に成立しているからこそ、友情という繋がり方を内面化しすぎていたり、今の距離感が出すぎた真似で崩壊することを恐れがちなものです。おまけに二人の状態が「恋愛としては片思い」だった場合、事態は更に厄介なものとなります。

 『ふじょ子とユリ子』は、今まさに私が例示したような状況を、全2巻のすべてをかけて解きほぐすこそばゆい恋愛漫画です。そこに、「ユリ子が好きになる同性の幼馴染・ふじょ子がBL愛好家」という基礎設定で捻りを加えています。ふじょ子はBL愛好家と言っても、勘所をわかっていなくても見れば分かるような王道カプではなく、原作での接点が希薄なマイナーカプの愛好家です。しかも、長年ユリ子に対しても自分の趣味を隠していました。供給に飢え、先鋭化した奇矯な信仰を持つふじょ子や、次々と現れる同人界隈の奇人(しかも学校が同じ)に困惑しながらも、ユリ子は親友の言葉に耳を傾けます。それは完全に下心に基づく行為ですが、それでも二人が僅かずつお互いを理解し直していく契機となっていくのです。その繊細な歩みは、幼馴染カプ大好きマンの私が太鼓判を押す美しさ。作中でふじょ子が推している「亀ピエ」と違って、「ふじょユリ」は極太の根拠を持つ絶対的王道カプなので、安堵して心を委ねてください。

 ☆『ぽんこつヒーローアイリーン』1~2巻(97/100)

 昨年TVアニメが放送され大人気を博した『きらら』の大傑作、『まちカドまぞく』は、人の孤独に寄り添い平和を守る「ヒーローもの」の文脈を内包した作品です。そして私が同じ「きらら×ヒーロー」の作品としてオススメするのが、英雄たろうとする心の尊さにパンチの効いた笑いを織り交ぜて描くぽんこつヒーローアイリーン』です。

 タイトルで「ぽんこつヒーロー」と言われてしまっているアイリーンは、火星で活躍していた本物のスーパーヒーロー。ですがヒーローとしての行動規範は「敵を倒すこと」の一点張り、しかもパンを食べながら決戦に遅刻して大事故を起こすと、かなりいい加減です。それ故に具体的な帰還方法を告げられないまま、ヒーローとしての自分を見つめ直すための(説明がないので主観的には左遷同然な)地球出張を命じられてしまいます。そんな彼女が地球で出会ったのは、正義のヒーロー・ラブリーメロン。正体はコスプレをして勝手に慈善活動を行う、何の特殊能力も持たない高卒の無職なのですが、アイリーンは彼女を本物のヒーローと勘違いし、弟子のようなライバルのような名状しがたい関係を結んでいくのでした。

 かたや荒っぽい思考回路を持つ、ヒーロー失格の問題児。かたや優しい心を持ちながらも、社会からドロップアウトした不審者。本作では二人のダメな部分を容赦なくギャグとして消費しながら、物語の端々でヒーローとしての在り方を問います。力と心、ある意味凸凹、ある意味割れ鍋に綴じ蓋なアイリーンとラブリーメロンのご町内騒動はやがて、それぞれの人間としての試練に向き合う力となっていくのです。そつなく完成度の高い作品ですが、特に互いに補い合うバディものが好きなあなたにぜひ。

・『スローループ』1巻(98/100)

 

 『きらら』の非4コマ誌『きららフォワード』において、今最もホットな若手連載作品が『スローループ』です。フライフィッシング(欧風の毛針釣り。かなり詳しく説明されていますので、本作を読んでいただくことで詳説の代わりとします)を題材とした本作は、釣り糸で再婚姉妹の繋がりを結ぶ、家族再生の物語です。

 『スローループ』のダブル主人公といえる中性的な雰囲気の少女・ひよりと元気印の少女・小春は、それぞれ父・母を亡くしています。物語の最初に何も知らない状態で出会った直後、存命の片親同士が再婚したことで、二人は戸籍上「姉妹」となるのですが、すぐに心まで家族になれるわけではありません。そもそも姉妹と言っても同い年ですし、内向的なひよりは相手とどう付き合って良いのかわからず、逆に無邪気な小春は踏み込みすぎる――そんな噛み合わない二人が、ひよりの趣味である釣りの経験を共有する中で、緩慢に結ばれていく様が叙情性豊かに描かれます。加えてひよりの幼馴染である吉永恋も良い味を出しており、一種の「三角関係」としても楽しめる側面もあるかもしれません。釣りの描写も本格的で、今後アニメ化されることがあればオタクを外に引っ張り出す魔力を発揮してくれるのに期待大です。割引されているのは既刊3巻中1巻のみですが、続きを定価で買っても後悔はさせませんよ。

 なお、同作者の『ななつ神オンリー!』全1巻も今回はセール中です。七福神が信心稼ぎのためアイドルになる、という突飛な設定をきれいに纏めており、掲載誌『きららミラク』の休刊と運命をともにしたのが残念でなりません。

 ☆『旅する海とアトリエ』1巻(99/100)

 『旅する海とアトリエ』は、まだ一巻しか発売されていない若い作品です。しかし出会いと別れを繰り返して綴られる、壮大な大陸紀行を描くストーリーテリングの巧みさと圧倒的な画力には、円熟味すら感じることができます。

 本作はロードムービー型の漫画で、自分の名前のルーツを探し求める和装女子・七瀬海と、自分が進む道に悩みながらも気丈に振る舞う若き画家・安藤りえが、ヨーロッパの各地を旅しながらゲストキャラクターと交流する基本構造を持っています。その中で描かれる荘厳な聖堂や鮮やかな町並みの克明な描写は、本作の大きな魅力の一つです。細部までこだわって非常にリアルに表現されると共に、キャラクターや4コマ枠との対比で巨大感を際立たせたそれらの景観は、リエや各話のゲストキャラクターが背負っている世界の質量ともリンクします。自己の起源や創作者としての生き方といった重厚なテーマを取り扱いつつ、海の底抜けにひたむきな性格と、どこかカートゥーンを思わせるキャラ絵の「くずし」で的確に生み出される笑いは、重さ一辺倒ではない軽快さを生み出す良いアクセントです。総じて非常に技量が高い作品であり、現時点で既刊一巻ですので、『きらら』漫画自体への足がかりとしてもオススメできます。

・『ぼっち・ざ・ろっく!』1巻(100/100)

  『ぼっち・ざ・ろっく!』は、既に2巻の突破を確定させ(2巻で終わらないことは、『きらら』でエースとなる最低条件です)メディアミックスの予定は未定ながらLINEスタンプも発売されるなど「既に熱い」作品です。美少女の顔がおぞましく溶けるコマや、真に迫った陰キャ描写のキャプ画像が話題になった本作ですが、決してインパクトだけの一発ネタ漫画ではありません。自分の土俵で意地を貫き世界すらも変える正真正銘の「ロック」を骨太に描いた、稀代の音楽4コマ漫画です。

 顔を隠して演奏動画を投稿し、ネットで人気を博す凄腕のギタリスト「ギターヒーロー」。その正体は、バンド結成を夢見ながら、極度に人付き合いに臆病なために叶わなかった少女・後藤ひとり。彼女は強い承認欲求と、現実への恐怖や明るく幸せな人物へのルサンチマンを兼ね備えた、貪欲ながら極端に内向きな性格の持ち主です。そんな彼女ですが、偶然に加わったバンド活動の中で幾らか前向きに、自分の強みを活かそうという心境にはなっていくものの、人格が大きく「矯正」されることはありません。本作が定義するバンドとは「バラバラな個性が集まって音楽を作り出す」もの。ひとりが持つ下世話で激しく鬱屈した感情も、矛先を整えれば強い武器となります。そして何より、ロックとはその根源において、反逆の音楽でありカウンターカルチャーなのです。後藤ひとり以上に相応しい人間が果たして居るでしょうか? この熱さ、体感しないのは勿体ない! バズるだけのことはある、『きらら』の未来を担いうる作品です。

 今回のセールでは、同作者の『きらりブックス迷走中!』全2巻も対象となっています。ギャグを主体としていてストーリーの骨組みが強い『ぼっち・ざ・ろっく!』とは作風がわりと大きく異なるのですが、神をも恐れぬ『きらら』レーベルのメタネタや、ブレーキの外れた過激な笑いには、間違いなくロックの遺伝子が隠されています。

 

【あとがき】

 ゼエゼエハアハア……最初は各作品三行ぐらいの短評で済ませるつもりだったのですが、気がつくと熱のこもったショートレビューになってしまい、記事の文字数は17000字を越えてしまいました。私は計画性がない上に物事を端的に説明できません、と宣言しているようなものです。まだまだ修練が必要ですね。

 ですがそれば、『きらら』漫画たちに、自分でも制御しきれないほどの熱弁をものぐさなオタクから引き出してくれるだけの熱量と奥深さが宿っていることの証左でもあります。願わくば今回の記事をご覧になった皆様が一人でも多く、私と一緒に『きらら』に狂ってくれることを願っています。

 あと、正直オススメしたい作品は100巻縛りだと足りないので、以下にリンクと一言コメントだけ無造作に貼り付けていきます。100巻買ったところでまだ10000円使ってないので、ザクザク買っちゃってください。それではまたの機会にお会いしましょう。

 

 園芸の漫画……のはずだが清純なビジュアルからは想像もつかない狂気が特徴。ちろり先生は一体何を考えていたのでしょうか?

  トレーディングカードゲームの漫画。競技的な楽しみとカジュアル的な楽しみを包摂する手付きが上手くて優しい。守護フェリダーのコスプレしたモブが出てくる。

ハナヤマタ 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
 

 

  今季、アニメが再放送中のよさこい青春物語。途中から変なギアが入って、問題作『おちこぼれフルーツタルト』に作風がつながっていくのを、アナキン・スカイウォーカーダース・ベイダーになるのを見る感覚で楽しんで欲しい。

 私の人生を変えた漫画。語りすぎて逆に語ることがないが、読んでないなら読んで。

 

ひろなex. 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

ひろなex. 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

  • 作者:すか
  • 発売日: 2013/10/11
  • メディア: Kindle
 

  おばかな中学生が大したこと無いことを大げさに楽しむ、そのおかしさに笑い、ちょびっとノスタルジーも感じる。

  私がすごく好きな吸血鬼百合があるんですが本番は3巻で割引範囲は1巻までなのでおとなしく全巻買ってください。

  「不可逆的な別れ」を物語の核心に据えた榛名まお先生の2作品。互いにシナジーがあるので両方読むといい感じ。

  工業高校というレアな題材のきらら漫画。不良要素はなく、真面目に工作をしている。DIYな気分のあなたに。

  表紙から漂うやばいオーラを裏切らないヤンデレ百合漫画。以前に単独で記事を書いているのでよければ読んでください。

  連ちゃんパパ並の倫理観とその場しのぎスキルを持つ女がエロ自撮りを送ってくる先輩とイチャイチャするために双子の姉妹になりかわったりストーカーと交渉したりする地獄の百合漫画。全2巻だからこそのすさまじいドライヴ感に震える。

  私的には『永い後日談のネクロニカ』のアートで有名な器械先生の作品。こういう癖の強い漫画こそ安くなってる時にオススメするべきかもしれない。

  「キスによって身体が入れ替わる」という設定を豊かな想像力で使いこなし、四巻分やり抜いたシチュエーション百合コメディの傑作。まちカドまぞくとほぼ同期。終わってからまあまあ経ったのに1巻しか無料じゃないけど買ってね。

  全くセール対象じゃないけど読んでほしい。これは少女たちの「人生」をクローズアップで描く大河ロマンだ。